(社)全国ローヤルゼリー公正取引協議会は、ローヤルゼリーの取引に関し一般消費者の適正な商品選択を保護するとともに、商品取引の公正な競争秩序を確保することを目的に制定された業界における自主規制団体です。

ローヤルゼリー基礎情報

女王バチの特別食“ローヤルゼリー

女王バチの特別食“ローヤルゼリー

はちみつは、ミツバチの働きバチが花蜜を熟成させた甘味料であり、ローヤルゼリーは、働きバチが花粉やはちみつを食べて分泌したものです。乳白色で酸味が強く、はちみつとは全く別物です。
働きバチも女王バチも、卵の段階では同じメスですが、孵化して3日目までワーカーゼリーを、4日目以降、はちみつと花粉を食べるメスバチは、働きバチとなります。
一方、女王バチは、孵化後ローヤルゼリーを生涯食べ続けます。体長が働きバチの 2 ~ 3 倍、寿命が 30 ~ 40 倍になります。働きバチは卵を産めませんが、女王バチは、毎日約 1500 個の卵を産み続けることができます。
ローヤルゼリーは、ミツバチの世界では、働きバチと同じ受精卵を体型や能力が突出した女王バチへと分化させる特別食なのです1)

ローヤルゼリーの成分

ローヤルゼリーは、水分を約 65%、タンパク質・アミノ酸を約 13%、糖質を約 10%、脂質を約 5%、その他成分を約 7%含んでいます。必須アミノ酸が含まれ2)、タンパク質のアミノ酸スコア(必須アミノ酸の含有バランスの指標)は、100 と大変良質です。ビタミン・ミネラル類なども含有され、様々な栄養素を含む栄養価の高い食品と言えます。
特有成分として、10-ハイドロキシ-δ-2-デセン酸などが知られています2)。ヒトにおけるこれらの働きについては未だ不明な点が多く、有効性やメカニズムについて世界中で研究が進められています。

ローヤルゼリーと食物アレルギー

ごく稀ですが、海外で喘息を持つ人がローヤルゼリーを摂取し喘息や重いアレルギー症状を起こした例が報告されています3, 4)。卵などと同様に、ローヤルゼリーにも多く含有されるタンパク質の一部が、アレルギーの原因であることが分かってきました。本協議会の取り組みにより、現在では、ローヤルゼリーを含む食品には、喘息や食物アレルギーを持たれる方へ飲用を控えるよう注意喚起する表示が定着してきました。
市場では、アレルギーを起こしにくくしたローヤルゼリー製品が開発されています。タンパク質分解酵素により、タンパク質をペプチドやアミノ酸に分解し、アレルギー発症のリスクを低下させたものです5, 6)
タンパク質は、摂取後分解され、ペプチドやアミノ酸として吸収されるので、予め分解してもその効果が損なわれる可能性は低く、むしろ近年では、ペプチドの有用性が注目されています7, 8)

ローヤルゼリーの効果研究

ローヤルゼリーの効果について、未だ個人の体験談など科学的信頼性に乏しい情報が多く散見されます。近年、比較的信頼性の高いヒト試験により、女性の更年期障害9, 10)、高脂血症11)、高血圧12, 13)、耳鳴り14)、更年期周辺女性の肩こり15) 等の改善効果が明らかになりました。
ローヤルゼリーは、長い食経験の歴史において伝承的に各種の効果が知られていますが、今後、一層の科学的裏づけや新しい効果の発見が期待されます。

参考文献

  1. 松香, ミツバチ科学, 19 (1), 1 (1998)
  2. 竹中, ミツバチ科学, 3(2), 69 (1982)
  3. Bullock et al., MJA, 160(1), 44 (1994)
  4. Thien et al., Clin. Exp. Allergy, 26(2), 216 (1996)
  5. 特許3994120号
  6. 柳原ら, 日本農芸化学会大会講演要旨集, p.161 (2008)
  7. 梶本ら, Health Sciences, 22(2), 204 (2006)
  8. 森山ら, 日本食品科学工学会第55回大会講演集, p.103 (2008)
  9. 九嶋ら, 産婦人科の世界, 25(4), 439 (1973)
  10. 別宮ら, 日本健康心理学会第17回大会発表論文集, p.96 (2004)
  11. Guo et al., J. Nutr. Sci. Vitaminol., 53(4), 345 (2007)
  12. 土田ら, 診療と新薬, 39(2), 85 (2002) 
  13. 梶本ら, Health Sciences, 22(2), 204 (2006)
  14. 嶽ら, 応用薬理, 75(5/6), 109 (2008)
  15. 立藤ら,東方医学,26(1), 55 (2010)