(社)全国ローヤルゼリー公正取引協議会は、ローヤルゼリーの取引に関し一般消費者の適正な商品選択を保護するとともに、商品取引の公正な競争秩序を確保することを目的に制定された業界における自主規制団体です。

ローヤルゼリーから見つかった抗酸化性ペプチドの作用

  • 発表者
  • (平成15年度報告)
  • 米倉政実教授
    茨城大学農学部食品機能学研究室

ローヤルゼリーの成分で最も多いのがタンパク質です。私たちは、アピシンという名前をつけたタンパク質を発見し、このタンパク質には細胞を増やしたり、細胞が死ぬのを防ぐ働きがあることを明らかにしました。また、ローヤルゼリータンパク質は、コレステロールや中性脂肪を減少させたり、肝臓の機能を強化する作用があることを報告しました。一般に私たちがタンパク質を食べると、胃や腸で消化分解され、ペプチドやアミノ酸という物質になり吸収されます。したがって消化管の中でローヤルゼリータンパク質からペプチドやアミノ酸が生成しているわけですが、特にこのペプチドがいろんな作用を持っていることが予想されます。

ところで、私たちは酸素を吸って生きていますが、体内では酸素から一部は有害な活性酸素が生じており、この活性酸素が老化やガン、生活習慣病などの病気を引き起こす大きな原因になっており、活性酸素は万病の元といわれています。そこで、この活性酸素をなくしてしまう作用のあるビタミンCやE、ポリフェノールなどの抗酸化性物質が注目されています。今回は、ローヤルゼリータンパク質を酵素で分解してペプチドをつくり、このペプチドに強い抗酸化性があることを明らかにし、さらにヒトの培養細胞を用いた実験で、このペプチドが活性酸素により引き起こされる細胞死を防ぎ、細胞の生存率をあげることを発見しました。また、14種類のペプチドの構造も解明しましたが、今後ペプチドが細胞死を防ぐメカニズムを解明しようと考えています。

これらのことから、ローヤルゼリーのタンパク質から生成したペプチドには、老化を防いだり、動脈硬化や心臓病、ガンなどの病気を防止する働きがあることが期待できます。