(社)全国ローヤルゼリー公正取引協議会は、ローヤルゼリーの取引に関し一般消費者の適正な商品選択を保護するとともに、商品取引の公正な競争秩序を確保することを目的に制定された業界における自主規制団体です。

ローヤルゼリーペプチドの高血圧改善作用

日本人に多い高血圧

ローヤルゼリーペプチドの高血圧改善作用

高血圧症とは、動脈血管内で血液が血管壁を押す力が慢性的に高くなり、全身の血管や臓器に負荷をかけ、様々な機能を障害する疾患です。
平成 21 年の日本人の死因は、第 1 位は悪性新生物(がん)、第 2 位は心疾患、第3位は脳血管疾患でした1)。この心疾患と脳血管疾患は、高血圧と深く関係しており、高血庄が慢性化すると、血管の肥厚や動脈硬化などが進行し、心筋梗塞、脳梗塞などが起こりやすくなるからです。
平成 18 年の調査では、正常高値血圧者と高血圧症の人は、合計 5490 万人と急増していることから2)、この根本治療の方法や予防法の開発が強く望まれています。

高血圧の改善は生活習慣から

高血圧の発症には、他の疾患が原因でない場合、運動不足や食生活の乱れ(塩分、糖質、脂質等の過剰摂取、野菜不足)が大きく関与しています。従って、良い生活習慣を継続することにより、この大部分を予防できます。
高血圧と診断されれば、各個人の状態に合わせて治療薬が用いられます。しかし、治療薬は、根本原因を解消するものではないため、予防と治療の両方に好ましい生活習慣の基盤が必要です。

ローヤルゼリーペプチドによる高血圧の改善

近年、血圧を下げる食品成分が注目を集め、特定保健用食品(トクホ)などが利用されています。ローヤルゼリーについても、タンパク質を分解して得られた“ペプチド(アミノ酸が繋がったもの)”を含む食品が開発され、ヒトの高血圧改善について研究されています。

血圧が高めのヒト(正常高値血圧、Ⅰ度(軽症)高血圧; 16 ~ 17 人/群)にローヤルゼリータンパク質加水分解物(500, 1000, 5000 mg/日)を4週間摂取させたところ、偽薬(ローヤルゼリーを含まないもの)と比べて、1000 および 5000 mg/日の摂取群において血圧が摂取量に比例して低下しました3)

別試験では、血圧が高めの人(正常高値血圧、Ⅰ度(軽症)高血圧; 53 ~ 54 人/群)にローヤルゼリータンパク質加水分解物(1000 mg/日)を、12 週間摂取させたところ、偽薬と比べて、10および12週間後に血圧が低下しました。試験食品による有害作用は見られず、摂取終了後に摂取前より血圧が高くなるリバウンド反応も見られなかったことから、このローヤルゼリーは、安全で穏やかに高血圧を低下させると結論されています4)。

作用メカニズムは?

ローヤルゼリーのタンパク質加水分解物中に含有される成分を分析した結果、2 ~ 3 個のアミノ酸からなるペプチド(イソロイシルバリルチロシンなど)が発見されました5)。これらは、血圧を上昇させる重要な酵素(アンジオテンシンI変換酵素)の活性を抑えることにより、降圧作用に寄与すると考えられています6)。高血圧症の改善には様々なメカニズムがあり、今も多様な観点から研究されています。
このような機能性食品を上手く活用することも、一つの方法ではないでしょうか。

参考文献

  1. 厚生労働省 大臣官房統計情報部人口動態・保健統計課, 平成21年人口動態統計月報年計(概数)の概況 (2010)
  2. 厚生労働省,平成18年国民健康・栄養調査結果の概要(2008)
  3. 梶本ら, Health Sciences, 22(2), 204 (2006)
  4. 梶本ら, 健康・栄養食品研究, 8, 37 (2005)
  5. Matsui T, et al., J Nutr Biochem., 13, 80, (2002).
  6. 土井ら, Health Sciences, 22(2), 193 (2006)